オーダー機能について①
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本稿並びに次稿では、ユーザの要望によって搭載された新機能「オーダー」機能の活用方法を、
解析例を用いて説明します。【背景】
CzeekV Pro では、有害事象を自発報告された症例レポートであるデータベース(DB)を搭載しており、
DB上に記載されている全薬剤と全副作用(適応症)をカウントしており、
カウント数をもとに関連性を示すための指標の統計解析を行っております。
その指標はすでに皆さんご存知のとおり、各当局が用いる指標を参考に下の4つを採用しています。各指標の統計解析には下図のように「2*2の分割表」をベースに、カウントされた値を入力後、計算を実施します。
この手法は、自発報告有害事象データベースを対象として
「処方全体の数値は不明だが、報告されている情報のみを用いて関連性を評価する目的」として
主に利用されている不均衡分析となります。これらはファーマコビジランス活動におけるシグナルディテクションと言われるメソッドの一つであり、
薬剤と有害事象の関連性評価・探索の一つとして用いられます。シグナルディテクションでは、これら分割表各セルの数値を用いてPRR・ROR・χ自乗等を計算します。
それぞれの指標でスコア値が閾値を超えたらシグナルが出ている(検知している)という意味で、
関連性が高いことを示します。
一方で、“シグナル検知”したことで、すぐに“リスクがある(副作用である)”というわけでもないことはご理解ください。CzeekV Proでは、上記表の「暴露あり」に全薬剤をひとつひとつ当てはめて、
また「注目する有害事象」に全有害事象(PT)をひとつひとつ当てはめて、
それら膨大な組み合わせ全てのパターンを計算しています。
データベースが更新されたり、薬剤辞書が新しくなって更新されたりすれば、
その新版にも対応して毎回全てのパターンを計算しています。
JADERでもFAERSでも同様、膨大なパターンをしっかりと時間をかけて計算しています。ユーザが計算を実施することなく、注目する薬剤を検索するだけで、その薬剤と共に報告された有害事象項目全てを
表示されているテーブルの中から関連性の高い有害事象をチェックすることが可能です。
全スコア値をデータベースのテーブルに格納していますので、
ユーザは検索するだけでその値を確認することができるようになっています。(限界)
上記、全てのパターンを計算とありますが、若干語弊があります。
ひとつの薬剤を「暴露有り」、ひとつの有害事象を「注目する有害事象」として
カウントする場合に限っての全てのパターンです。つまり、複数薬剤の組み合わせを「暴露有り」に設定したり、
SOCをまとめて「注目する有害事象」と設定した計算は実施していません。ここまで対応するには果てしないパターンが存在し、計算し尽くせませんし、
ユーザにとって解析不要なパターンまで搭載することが、システム負荷につながることを考えれば
どこかで割り切る必要があります。なので、複数の組み合わせについては搭載していません。とはいえ、ユーザの習熟度が向上してくると下記のような声があがってきました。
(新たなニーズ)
「似た有害事象はまとめてしまい、どちらかが報告されていれば必ずカウントするようにしたい。」
「投与剤の特徴を加味して、対象年齢を60歳以上に設定したい。」
「同成分の薬剤をまとめて暴露と設定したらどうなるのか?」
などなどそこで、ユーザが自身の解析目的に合わせて分割表のカウントを注文(オーダー)できる「オーダ計算機能」を開発、搭載しました。
【オーダー計算】
例えば、注目したい有害事象がPT1つだけでなく複数ある場合は、分割表の設定を変更すればその解析が可能です。
下図は階層としてまとめられているSMQを活用した場合の分割表です。タグ: -
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