シグナル管理に関する投稿6回目です。
今回はシグナル評価ステップにおけるアクションの5つ目をご紹介します。
インテージックの同種同効薬であるDPP4阻害薬の件数・シグナル状況・処方患者数の推移を確認し、 それぞれの傾向を確認することが目的となります。
[方法] CzeekV Proを用いて症例件数やシグナルを確認します。 また、同種同効薬においても、 株式会社インテージリアルワールド社の統合医療データベース”Cross fact”のうち、 調剤レセプトデータ”をもとに、拡大推計により算出した処方患者数の推移を確認します。
同種同効薬は以下の3つの薬剤を対象としました。 インテージック同様、抗糖尿病薬のうち、DPP-4阻害薬となります。
・アナグリプチン ・シタグリプチン ・リナグリプチン
CzeekV Pro を用いて注目薬剤を検索して、症例数やシグナルを確認します。 今回、インテージック以外に3つの薬剤を検索することになりますが、 CzeekV Pro では注目薬剤に関する統計情報を同じテーブルに表示する機能があります。(統計解析機能) ※詳細は本投稿ラストの補足に記載します。
この機能を用いて以下の結果をレビューすることができます。
以下のテーブルに同種同効薬の処方推計データを表します。
◆症例件数、スコア値について 同種同効薬において、報告件数・シグナルの状況より、 アナグリプチンはシタグリプチン・リナグリプチンと傾向が異なるように見受けられました。
ただし、各薬剤においては以下のように発売日が異なります。
インテージック:2016年4月(仮想) アナグリプチン:2012年11月 シタグリプチン:2009年11月 リナグリプチン:2011年9月
発売日が異なれば累計の症例報告件数にも違いが生まれるのは当然なので留意が必要です。 よってアクション2と同様に、どの薬剤においても処方患者数の推移の結果も確認してみます。
◆処方数推移について 同種同効薬についても、処方患者数が増加している傾向は認められませんでした。
同種同効薬における症例報告件数傾向の違いはあることは把握できたものの、 他にもエビデンスのある解析情報も加えて判断をしたいと思います。
引き続きJADERを活用して同種同効薬での確認を進めていきたいと思います。 次稿にて同種同効薬の情報(発症期間、転帰の傾向)の確認について報告いたします。
CzeekV Proには同種同効薬を選択して同じテーブルにまとめることができる統計解析機能があります。
こちらの機能についての説明、操作については下記を参照ください。 類薬*有害事象のテーブルを作成する(CzeekV 統計解析機能について) (CzeekV実践に投稿した別ページが開きます)
Date
(PubMed追加日)