シグナル管理に関する投稿8回目です。
今回はシグナル評価ステップにおけるアクションの7つ目をご紹介します。
インテージックと同種同効薬であるDPP4阻害薬の年齢・性別ごとの副作用発現件数の状況を把握し、 傾向に違いがないかを確認することが目的となります。 対象DBはJADERです。
[方法] CzeekV Proを用いて薬剤ごとで年齢・性別の副作用発現件数の状況を確認します。
同種同効薬はこれまでと同様以下の3つの薬剤を対象としています。 インテージック同様、抗糖尿病薬のうち、DPP-4阻害薬となります。
・アナグリプチン ・シタグリプチン ・リナグリプチン
CzeekV Pro を用いて注目薬剤を検索すると、 報告された有害事象ごとで年齢分布・性別分布を確認することができます。
インテージックはまだ症例数が少ないため、 年齢や性別情報での傾向の違いを判断するまでは至りませんでした。
社内にて集積されているSafetyデータに加え、 これまで説明しました7つのアクションで確認し、エビデンスを積み重ねた結果をもとに安全対策の要否を検討します。
〈安全対策の要否〉 インテージックにおいて、現時点での安全対策は不要と結論づけました。
〈理由〉 判断のポイントは下記にあげる2点です。 ・追加報告2件を加えたRORにおいてもシグナルは検知されなかった ・発生までの期間が長く、間質性肺疾患がインテージックの影響による発現とは言えない
ここまでエビデンスを積み重ねるプロセスとしてCzeekVProの機能を活用した7つのアクションをご紹介しました。 イメージはしていただけましたでしょうか?
〈補足〉 JADERのようなSRSだけでの因果関係は評価が難しく、シグナル検出までが適切な使い方と考えます。 一方RWDで重篤の事象に近い定義が可能であれば「事象のトレンドを見る」、あるいは「類薬との発現数を比較する」などSRSのシグナルとの違いを検討することはできるます。このことでシグナル強化に進むべきかの検討材料にはなると考えられます。
内容についてあるいは機能について御質問があればぜひ問い合わせから連絡をいただければと存じます。
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(PubMed追加日)