上図は講演にて紹介用に用いたPPTです。薬剤疫学のお話をする際に必ずこのお二人の功績を紹介しています。
(写真の出典はスノウ氏はWikipedia、高木兼寛氏は慈恵医大です。)
高木先生の功績はWikipediaだけでなく、宮崎県郷土先覚者の紹介ページなどがわかりやすくて面白いです。
恥ずかしながら最近拝読した吉村昭著『白い航跡』(上下)が人間ドラマも含めて大変感銘を受けました。
他にも多くの書籍が出ています。ネットサーフィンだけでは分からなかった情報も教えてくれます。
薬剤疫学を学ぶうえで必須ではありませんが、並行して歴史を知ることも大切かと思います。
脚色はあるでしょうが、史実だけを列挙している読みモノよりは、そのほうがスムーズに頭に入ってきます。
ジョン・スノウ氏も皆さん十分ご存知かと思いますが
私の探索能力が低いせいか、あまり日本語で紹介されている文献・書籍をみかけません。
『医学探偵ジョン・スノウ(副題:コレラとブロード・ストリートの井戸の謎)』という小説は拝読しました。
ドラマ性があって大変おもしろいですが、
疫学調査に関する科学的アプローチは素人向け作品なだけに期待しないほうが良いかと思います。
氏について簡単に歴史を勉強するには良い教材だと思います
。彼や彼の研究をモチーフにした映画、小説は他に何本かあるようです。
技術進歩に依存せざるを得ない医学的・科学的な真の原因究明に至らずとも
疫学的な研究・探索により検知に至り、課題解決・事態の改善を導いた功績は素晴らしいと思います。
また、導いた結果、その領域において科学的アプローチ・科学的究明の必要性を生み出したという意味で
新たな技術進歩の道標となったという功績もあるかと思います。
まだ学問的にも認知されておらず、研究内容が懐疑的な目で見られる中、自分を信じて突き進めて出した成果というのは
イノベーションと言っても良いのではないのでしょうか。
疫学とはの定義を先に投稿しましたが、歴史からもその定義を肌で感じられるかと思います。