シグナル管理に関する投稿5回目です。
今回はシグナル評価ステップにおけるアクションの4つ目をご紹介します。
海外で販売されている医薬品については、FAERSで状況確認ができるため、 FAERSにおける報告件数・シグナルの状況を確認します。
[方法] CzeekV Proを用いて確認します。
CzeekV Proではタブの切替のみでJADER←→FAERSを閲覧できるようにしております。
最初にデータを選択してから検索するか、 検索後にJADERの結果から表示をタブ切り替えでFAERSとするかの違いとなります。
FAERSでは症例報告は 33 件ありました。 ただし、副作用名”間質性肺疾患”にて絞り込んでも副作用一覧では抽出できません。
どうやら FAERSにおける症例報告の中では 間質性肺疾患のイベントはなさそうです。
症例の詳細を確認してみます。
CzeekV Proでは検索結果の症例報告数数”数値”をクリックすることで (上図でいうと 33件) 症例一覧を開くことができます。 この症例一覧を見てみると抗糖尿病薬であるインテージテック(仮名)を投与され、有害事象イベントがあったと FDAに報告された症例はすべて日本での報告でした。 ただし、他薬剤併用による報告もあったりするため、JADERでの報告分は含まれていないようです。 また、FAERSの報告症例にはイベント”間質性肺疾患”はありませんでした。
以上から、海外での結果は今回のケースでは無いということとなりました。
引き続きJADERを活用して類薬での確認を進めていきたいと思います。 次稿にて報告いたします。
「FAERSにはJADERのデータとの重複はないの?」と聞かれることがしばしばあります。 FDAにおける副作用報告ルールの一つは下記となります。
・米国と海外(米国からみて海外)の両方で発売されている薬剤で、海外で発症した有害事象症例もFDAに報告すること
よって、日本でJADERに含まれる症例レポートと同じものがFAERSに含まれることはあります。 一方で、JADERは重篤な副作用に絞り込まれているという特徴がありますので 製薬企業の方から見て、自身が報告したものがFAERSには搭載してあり、JADERには見当たらないということもあり得るかと思われます。
また、併用薬情報も登録されるので、調査において自身が把握していない症例報告がSRSデータには含まれる可能性があることも 注意しておくことの一つです。
Date
(PubMed追加日)