閾値を超えたら数値は赤文字です。
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詳細情報ページにおける全件数テーブルでは、
各スコア値において「シグナル検出」の基準となる閾値を超えていれば数値は赤くなっています。ですので全件数テーブルから「シグナル検出」をするにあたって各指標における閾値を覚える必要はありません。
以下、順番に説明します。
シグナル検知
CzeekV Proでは、医薬品と有害事象の関連性を不均衡分析によるスコア指標を用いて
”シグナル検知”をサポートしています。
各スコア値に関するシグナル検出基準を下図に示します。このテーブルで示す一番右側の閾値(これがシグナル検出基準となります)を超えると、
システム上では赤色数値で表示するようにしています。
具体的に見ていきたいと思います。閾値を超えたら赤色の数値です。
上記表はある薬剤のJADERでの全件数上位テーブルです。
詳細情報のページにある、いちコンテンツです。
「スコア」列(FDAスコア等と表示しています)の数値が赤くなっているのが分かります。
この赤色が”シグナル有り”を示します。
このままだと見えている範囲全ての数値が赤くなっているので
”シグナル無し”の状態との差異がわかりづらいかと思います。そこで、
例えば一番右側のLarebスコアの列を降順で並び替えて見ます。
(列タイトル「Larebスコア」をクリックすることでソートできます)並び替えると数値が赤くなっておらず、黒色のままのところが見つかるかと思います。
数値は閾値を超えていますが、黒い数値のままでシグナルが検知されていません。
なぜでしょうか?
件数を確認してください。nが少ないので、シグナル検出対象にはなっていません。
次に、WHOスコアを降順にしてから、テーブルの下へ移動してみると、、、、
上図で示すようなところが見つかり、
FDAスコアの値だけが黒色でシグナルが無く、
他スコアが赤色になって”シグナル検知”しているのがわかります。「血中クレアチニン増加」は報告件数も119件と多く、総合ランキング(後に説明します)も26位と高いのですが、
FDAスコア値での計算では閾値を超えていません。
しかし、他3つのスコア値は閾値を超えているので、やはり注意したほうがよい有害事象と考えられます。操作者が注目している「薬剤*有害事象」の組み合わせで
このようなスコア指標によってシグナル有無が異なる場合は
定期ウォッチングの対象として、注目したほうが良いでしょう。
その際は、CzeekV Pro トップページから
「DB更新時のシグナル検出」の機能を利用するのも一手です。参考
過去投稿記事:DB更新時のシグナル検出機能スコア指標が示す数値の大きさについて
よく下記のような質問を受けます。
「ある薬剤のうち、RORが100とでる有害事象と、5とでる有害事象を比較すると
100と出るほうが”関連性がより高い”と言えるのでしょうか?」結論から言うと、
数値が大きいからといって低いものより関係性が高い(より強い)とはすぐには言えません。スコア指標を出す際に用いている計算式を適用する前には
注目する薬剤と有害事象をカウントしています。そして、その他全ての薬剤と有害事象に関してもカウント後に
2*2の分割表にそのカウント値を入力します。報告されている有害事象が、他多くの種類の薬剤でも報告されているものかどうか?
逆に言うと、その薬剤を用いている症例報告に特異的に報告されている有害事象であるかどうか?
など、分割表のカウントやその結果のリスク比・オッズ比に対して如実に影響するような
報告分布になっているのかによって、スコア値は幅を持って結果が出ます。上市されて間もない薬剤で、報告件数がまだそんなに多くない段階で
これまでそんなに多くの薬剤の種類で報告がされていなかった有害事象が少しでも
多く報告されていればどうなるのかは想像に易いかと思います。ただ、やはり数値が高い(大きい)ということは、それなりの何かの理由があるからであるという
気づき(怪しみ)は持った上でチェックすることが重要でもあると思われます。シグナル総合ランキングについて
全件数テーブルには「総合ランキング」という列があります。
ランキングの順位付けはいたってシンプルです。
例えばある薬剤におけるFDAスコア数値をランキング形式にして1位、WHOでも1位、Larebでも1位と
4つのうち、3つも1位があれば総合でも1位でしょうといった、4つのスコアのうち、それぞれで何位となっているのかを
考慮しながら総合ランキングを付けています。このページを開いときに、全件数テーブルをどのような初期値で並べるのが適正かを
考えた結果、「総合ランキング」というものを作りました。
件数の多いもの順・どれか1つのスコア指標も考えましたが、
各列における並び替えができる機能を搭載した上でのデフォルトとして「総合ランキング」を採用しました。ちなみに各スコア値間において重み付けはしていません。
まとめ
閾値を
超えたら数値は
赤文字です。(字余り)●シグナル検出基準は論文を参考としています(参照:マニュアル)
●閾値を超えたら赤文字表記となっています。
●スコア値の大きさによる差異には要注意添付文書有り無しにも注目するとより面白いです。
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